2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧
相続は一人の専門家だけで完結しないことが多くあります。 例えば、不動産があり相続税がかかりそうで、なおかつ相続人同士が揉めている場合──登記は司法書士、税務は税理士、紛争は弁護士、書類作成や調整は行政書士といった具合に分業します。 ここで重要…
銀行や信託銀行は、預金の相続手続きや信託商品の活用に強みがあります。最近では遺言信託や財産管理サービスを提供するケースも増えています。 例えば、財産の管理や分配を銀行に任せることで、相続人同士の負担や争いを減らせます。ただし、取り扱える商品…
生命保険会社は「保険を活用した資産承継」の提案に強みがあります。保険金は相続財産とは別枠で受け取れるため、相続税対策や納税資金の準備に役立ちます。 例えば、不動産しかない相続財産の場合、現金化が難しく相続税の支払いに困ることがありますが、生…
相続診断士やファイナンシャルプランナーなど、民間資格を持つ相談員も増えています。広く相続や終活のアドバイスを行える一方、法的な書類作成や手続代理はできません。彼らは相談者の状況を整理し、必要に応じて士業や専門機関につなぐ「窓口役」として有…
税理士は相続税の申告や節税対策のプロです。相続税がかかる可能性がある場合や、生前贈与による節税を検討する際に欠かせません。 また、不動産評価や財産の分割方法による税額の違いを具体的に示せるのも税理士ならでは。ただし、遺産分割の交渉や登記は行…
行政書士は相続や終活の「書類作成と手続サポート」に強い専門家です。遺言書の作成支援や公正証書遺言の立会いサポート、相続人調査や財産目録作成など、相続の初期段階から関われます。争いごとや登記、税務は担当できませんが、相談者の状況に応じて他士…
司法書士は不動産登記の専門家であり、相続においては「相続登記」が大きな役割です。相続によって名義が変わった土地や建物を、法務局で正しく登記し直すのは司法書士の得意分野です。 また、140万円以下の訴訟であれば代理人になれる「簡裁代理権」を持つ…
弁護士は相続争いなど紛争性のある案件に最も強い専門家です。遺留分侵害額請求や遺産分割調停、相続放棄の手続きも依頼できます。法廷での代理権を持つのは弁護士だけであり、交渉力や法的戦略は大きな強みです。ただし、着手金・報酬が高額になりやすく、…
相続や終活、遺言の相談先は「ここしかない」と決まっているわけではありません。弁護士、司法書士、行政書士、税理士、民間資格保持者、生命保険会社、銀行…と実に多彩です。それぞれ得意分野もあれば、対応が難しい分野もあります。 例えば遺産を巡って争…
遺言書は、財産の多寡にかかわらず家族を守る有効な手段です。不仲な家族、海外在住の親族、おひとり様、再婚家庭、不動産や事業の承継、借金やペットの世話など、状況によっては必要性が一層高まります。遺言書があれば、残された人は迷わず行動でき、感情…
相続人の人数が多いと、遺産分割協議は複雑になります。全員の同意が必要なため、ひとりでも反対すれば合意に至らず、相続手続きが長期化します。 例えば、兄弟姉妹5人が相続人となったケースでは、遠方に住む人や疎遠な人もおり、書類の取り寄せや意見調整…
相続のルールでは、財産は原則として法定相続人にしか渡りません。友人や内縁の配偶者、支援してきた団体など、相続人以外に財産を遺したい場合は遺言書が不可欠です。(ここでも遺留分は注意です) 例えば、生涯独身の男性が介護をしてくれた友人に感謝の気…
「財産が少ないから遺言書は不要」と考える人は少なくありません。しかし、実際には数十万円やわずかな預金でも、相続人同士が感情的に衝突することがあります。 例えば、父の遺産が預金300万円のみだったケースで、長男は全額を母の生活費に充てたいと考え…
遺産にはプラスの財産だけでなく、借金も含まれます。相続人は、相続放棄や限定承認を選ぶことができますが、期限は自分に相続があったことを知った時から 3か月以内です。 例えば、亡くなった父に多額の借金があり、相続人が知らずに相続手続きを進めてしま…
事業をしている人が亡くなると、その事業用資産や契約関係も相続の対象になります。後継者が決まっていないと、取引先や従業員に大きな影響を与えることもあります。 例えば、家族経営の飲食店を営んでいた父が急逝し、相続人同士で引き継ぐか閉業するかで揉…
ペットは法律上“物”として扱われるため、相続の対象にはなりません。そのため、誰が世話をするかは遺言書や契約で決めておく必要があります。 例えば、独居の女性が亡くなった後、飼い猫の引き取り先が決まらず、保健所に送られそうになったケースがあります…
相続人に未成年がいる場合、その財産管理は親権者が行います。しかし、親権者が他の相続人で利益が対立する場合、家庭裁判所で特別代理人を選任する必要があり、手続きが複雑化します。 例えば、父が亡くなり、母と未成年の子が相続人となったケース。遺産分…
「特に世話になった人や団体に多く遺したい」という気持ちは自然ですが、遺言書がなければ法定相続分を基準として 法定相続人で分けることになります。 例えば、介護を献身的にしてくれた長女に多く渡したいと思っても、遺言書が無い場合 他の兄弟と同等に分…
農地や賃貸物件などの収益物件は、維持管理の手間や費用が伴います。 例えば、父の農地を相続したものの、後継者がいないため荒地になってしまうケースや、賃貸アパートを相続した兄弟で修繕費負担を巡って揉めるケースがあります。収益物件は単なる資産では…
不動産は現金のように均等に分けられないため、複数ある場合は分け方で揉めやすくなります。 例えば、自宅と別荘、賃貸マンションを所有していた父が亡くなったケース。兄は自宅を、妹は別荘を希望しましたが、価値に差があり不公平感が生じました。結局、不…
再婚の場合、配偶者のほかに前婚の子どもも法定相続人になります。しかも前婚の子とは疎遠なことも多く、住所や連絡先すら分からないケースも珍しくありません。相続が発生すると、まずは全員の同意が必要なため、音信不通の相続人がいると手続きが何か月も…
夫婦だけで子がいない場合、一方が亡くなると、残された配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹がすでに亡くなっていれば、その子(甥姪)が代わりに相続人となります。 たとえ疎遠でも、法的には遺産分割協議への参加が必要です。例え…
配偶者も子も、親兄弟もいない場合、相続人は民法の規定により甥や姪へと広がります。中には会ったこともない親族が相続人になることもあります。そうなると、遺産分割協議は混迷を極め、家庭裁判所で相続人全員総出で調整をするという事になりかねません。 …
相続人が海外に住んでいると、相続手続きは国内だけの場合よりも格段に時間と手間がかかります。郵送の遅れや国ごとの書類形式の違い、印鑑証明に代わる領事館での証明などが必要になる場合もあります。 例えば、弟がアメリカ在住で銀行口座の解約にサインが…
相続人の中に長年連絡が取れていない人がいると、相続手続きは一気に難航します。 例えば、兄が海外に移住して20年連絡なし、住所も不明…という場合、まず所在を調べるところから始まり、場合によっては家庭裁判所で「不在者財産管理人」の選任手続きが必要…
「うちは仲が悪いけど、遺産はそんなにないから大丈夫」と考えるのは危険です。たとえ少額の財産でも、兄弟姉妹間の溝が深いと、遺産分割協議は長引きます。 例えば、相続財産が実家の土地と預金200万円だけの場合でも、「土地は売るか?誰が住むか?」で意…
遺言書って必要なんでしょうか? 遺言書なんて作るな!なんて書いた本もあるぐらいなので意見の分かれるところなんだろうと思います。 結論的にいうと いる人もいればそうでない人もいる。まことに身も蓋もないお話になってしまいますがそれが結論かと思いま…
火災や災害、戦災などによって戸籍が焼失・滅失してしまった場合、その戸籍は原則として再取得できません。しかし、そのまま手続きをあきらめる必要はありません。 役所では過去の届出記録や転籍前後の戸籍、住民票などの履歴をもとに「戸籍に代わる証明書」…
相続手続の途中で別の相続が発生する「数次相続」では、戸籍収集が一層複雑になります。たとえば、被相続人の相続人が既に死亡している場合、その人の戸籍も別途取得する必要があります。 この場合、最初の被相続人に対する相続人調査と並行して、次の相続人…
かつて「婚外子」と呼ばれていた非嫡出子も、現在は法律上、嫡出子と同等の相続権を持ちます。ただし、認知されていなければ相続権は生じません。 認知は戸籍に記載され、「父○○認知」や「認知により嫡出でない子となる」などの表記がされます。この記載があ…
