これまでは安全な保管場所として、貸金庫などが使われる場合もありました。しかしこれが曲者で、契約した本人が亡くなってますので、その貸金庫を開ける権限があるのは相続人全員となります。相続人の仲が悪いから、若しくは特定の人に多く財産をあげたいから作った遺言書なのに、相続人全員の協力が必要になります。
金融機関も契約者不在の場合、その金庫の開閉には非常に神経質です。なぜなら一部の相続人が貸金庫を開けてしまい、何かその時に無くなってしまったという疑義が他の相続人から出てしまった場合、訴えられるのは金融機関であったりするわけです。
こういったことから貸金庫を遺言書の保管場所にすることはお勧めしません。
ここで一番のお勧めは、法務局の自筆証書遺言保管制度です。手続きが少し必要ですが、述べてきたような問題点はすべて解消することが可能です。