今回もう一つ信託契約を設定するにあたって重要なことは、信託終了のタイミングを父親の死亡時に設定しないことです。信託を終了させてしまうと信託財産は、その所有権は帰属権利者若しくは相続人に所有権がうつってしまいます。
せっかくの家族信託契約ですので、母親の老後においてもこの財産管理の仕組みが適用できるようにすべきです。70歳以上の高齢者の認知症発症率は非常に高いですので、父親が亡くなった時に母親が認知症になっているかもしれません。そのタイミングで不動産を売買していたとしたらその資金を母親へ、また不動産の状態で残っていれば受託者の管理下のもと母親の介護費用へということも考えられます。