例えば、遺言者がAよりBに対して多くの財産を残すことを遺言書で残したケースがあるとします。
Aとしては、Bより少ない財産しか受け取れず、「納得できない」と考えて、遺言の効力を争ったり、Aの遺留分を侵害すると主張して、Bに対して遺留分侵害額請求をしたりすることが考えられます。Aがこれらの手段をとることを、遺言者が遺言によって法的に阻止することはできません。
遺留分だけでも確保してあげるというのも手ですが、遺言者がAよりもBに対して多くの財産を残そうと考えた動機を詳細に記載しておけば、これを読んだAが遺言者の想いを酌み、遺産をめぐる紛争を起こすことを踏みとどまる可能性があります。