家族信託を使うにあたって他にないメリットについてお話していきたいと思います。
一つは親が元気なうちに子に財産の管理・処分権限を移しておくことで、将来的に認知症や大病を発症しても、影響を受けない財産管理体制を実現できるという事です。信託制度では、その財産を持っているのはお父さん、運用するのは息子さん、そこから得られる利益はお父さんと一つの財産の運用を分離することが可能です。
成年後見制度では、本人のためにする行動しかできないという大原則があります。運用というよりは保全のイメージが強いです。本来投資用の不動産物件などの場合、大規模修繕をしたり、売却してさらに新たな物件に投資したりということが必要ですが、成年後見ではそういった運用は非常に難しいです。自己資金が枯渇してきたので、自己所有の不動産を売却する、といったところが成年後見の限界かと思います。