少々ややこしい話ですが、この渉外相続には、準拠法とともに大事な言葉があります。「反致」という言葉です。
これは何かと言いますと、A国のルール(国際私法)に従うとB国籍を持つ甲さんは、B国の法律を準拠法とすると決められていたとします。しかしいざB国の法律を見てみると、A国に財産をすべて持つ甲さんは、A 国の法律を準拠法としなさいとなっていた場合はA国の法律に甲さんは従う必要があります。
これを反致といいます。イメージ的には、A国がB国に、「この人はそちらの方なんで」といったら、B国が「いやそっちで処理してください」といったという、ブーメランが旋回して手元に帰ってくるようなイメージが近いかもしれません。