公正証書遺言は証人2人以上の立会いのもと、公証人に確認、まとめてもらい作成していきます。なので自筆証書遺言に比べると、労力がかからず遺言書の法的正確性も担保されます。公証人に支払う手数料など、お金がかかるというのが短所といえるかもしれません。
原本もきっちり保管されますし、家庭裁判所で確認してもらう「検認」という作業がないので、遺言書を使用した相続手続もスムースです。
自筆証書遺言とこの公正証書遺言が一般的に多く利用されている遺言の作成方式になります。
遺言とは なんなんですか!⑦
亡くなった方が遺言をしないで亡くなると、相続人の間で遺産分割協議が行われます。これが仲良く円滑に話が進んでいけばよいのですが、相続人が勝手な主張をして揉めるというのが往々にしてあります。亡くなった方がいることで安定していた(抑えの効いていた)家族間が変化していき、気づけば裁判所の審判にもつれて、長年の紛争に陥るということにもなりかねません。
このような事態を避けるためにも、遺言者が、親族間の実情にそって実質的に公平で遺留分にも配慮し、適切な付言を加えた遺言を作成することが必要です。
このような遺言があれば、遺された家族が背負う遺産相続の精神的な負担、手続き上の負担が大部分解消されることになります。
遺言とは なんなんですか!⑤ 目的
そもそも遺言の目的ってなんなんでしょう。
「遺言とは、自分の生涯をかけて築き、かつ守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうため行う、遺言者の意思表示である。」ということです。
自分たちの財産なので、使うのか誰に残すのか原則自由に決めてよいということなんですね。ただ先祖や自分の親から受け継いだ財産がある場合は、もう少し複雑になってきます。
遺言とは なんなんですか!④ 付言?
法定外遺言事項として付言事項というものがあります。法的な強制力はありません。
付言に書くものとしては、遺言を書いた動機、心情、家業の発展・家族の幸福の祈念、家族、兄弟姉妹間の融和の依頼、葬式の方法などいろいろです。
『遺言をのこすねんけど、ちょっと差が出てもうてるねん、でもこんな理由があんねん。だからこれをきっかけに仲悪うならんようにしてな。良く考えた末のことやから、遺留分侵害とか 勘弁してや』てな感じのことを遺された家族に訴えるものかなと個人的には思っています。
最後に人のこころをすくえるか、未来に続く人間関係をつくっていけるのか。じつは非常に重要であり、綿密な文章構成と言葉選びを必要とする作業が、付言の作成です。