公正証書遺言はすべての人に推奨できますが、とりわけ次のようなケースでは強くお勧めできます。
まず、不動産を複数持っている方。土地や建物は名義変更が必要なため、遺言内容が不明確だと大きなトラブルになります。また、事業や賃貸物件を持っている方も、承継の方法を明確にすることが不可欠です。
次に、家族関係が複雑な方。再婚で前配偶者との子どもがいる場合や、認知した子がいる場合などは、相続人同士で意見が食い違いやすいため、法律的に堅固な遺言が必要です。
さらに、高齢になり判断能力の低下が心配な方や、財産を特定の相続人や孫へ確実に渡したい方にも向いています。
「遺言を作るなら公正証書で」と言われる背景には、こうしたリスクに備える合理性があるのです。

